午前3時
目覚めた私の耳には雨音が聞こえた。
その音は私の耳には優しく響く。
雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう
山下達郎さんの《クリスマスイブ》
ロマンチックなその歌詞のようになりませんように数日前、桜の硬い蕾も一気に花開いた。
雨粒をまとったその花は迷わない潔さがある。冬の間雪にさらされたビオラは、春先にはたわわに実ったぶどうの実のように咲き乱れる。
厳しさを与えたほうが強くなると聞いた事がある。
でも、さくらはそんな風な花ではない。
雪になりませんように。
「夢はどっちでもいいよ」
そうだね、きっとさくらの花自身もどっちでもいいのかもしれない。
でも、やっぱり「雪になりません様に」
私はそう思ってしまう。