先日の記事でホラーが苦手、怖い夢のお話をしました。
その夢を見た日、私は姉の所に久しぶりに行ったのですが、その時姉から聞いた話はとても切なくなるものでした。
姉のご近所の話です。
そこの家族構成は、90近くのお婆さんと長男夫婦に孫が何人か居ます。
その家族の、お婆さんに対しての仕打ちが想像を絶するものでした。
寒さの厳しい今、その家族はお婆さんに対して、コタツの電気を切ってしまう、電気毛布も使わせない、風呂にも入れないのだそうです。
一度お風呂に入ったら孫が
「おばあの入った後には汚くて入れない」
と、全部お湯を捨ててしまったそうです。
それ以来そのお婆さんは近所の温泉施設に通っているそうです。
それ以外にも
お婆さんがお米を買っていたそうですが、一度切らしたらそれ以来炊いた米を食べてはいけないと言われ自分用に小さな炊飯器を買ったそうです。
でも、1人では一度に食べ切れません。
なので電子レンジを使って温めようとしたら使ってはいけないと言われたそうで…
それ以来冷たいご飯を食べるときはお粥にして食べているとか。
それ以外にも耳を塞ぎたくなるような事を聞かされました。
お嫁さんが強い人なのだと思うけれど、孫もそれに輪をかけてお婆さんに罵声を浴びせたりするのだそうです。
多分幼い頃から母親に洗脳されて来たのでしょうが、それにしてもお年寄りを労わるとかそういう気持ちは無いのでしょうか。
私は、父が亡くなったあの日、火葬場で長男が誰もいない場所で堰を切ったように泣き続けたあの光景が今でも記憶の中に悲しく残っています。
長男にとっては祖父は父親がわりの様な存在だったので、普通の孫という関係以上のものは有ったと思います。
けれど一般的にも孫と祖父母の関係って、親とはまた別の、とても暖かいものだと信じていました。
私の怖いと言ったもの、ホラー、幽霊も、心霊現象もダメです。
でも、本当に怖いものは生きた人間なのではないかと思ってしまいました。
肉食動物は生きる為に弱い動物を襲って食べます。
でも、それは生きる為で有って、お腹が空いていない時は無駄な殺生はしません。
人間はどうでしょう…
家族に対してそんな仕打ちをみんなでする人もいる。
理不尽な犯罪を犯す人も居る。
家族という関係は、近い存在のためにこじれてしまうと根が深くなってしまうのも分かります。
でも、こんな寒い時に暖房も使わせないのはひとつ間違えれば命取りです。
お会いした事も無い人ですが、そのお婆さんの事がとても心配です。
心が暗くなります。
でも、姉の話は最後にはほっこりとさせてくれるエピソードが有りました。
姉は先週末に台湾にツアーで行って来ました。
タイミングの悪い事に、行く予定の直前に旦那さんの叔父さんが亡くなってしまいました。 当然お葬式には行かなければなりません。
姉夫婦は考えました。
「よし、俺はインフルエンザになる」
義兄の一言で、インフルエンザになって式には参列出来ないと連絡を入れて台湾へ旅立った姉夫婦。
帰宅予定の日曜日、親戚のおじさんが心配して電話をくれました。
「◯◯は体調はどうだい❓」
その電話に出た小学生の孫は
「じいじは今日台湾から帰ってくるよ」
と正直に伝えました^_^
嘘はつけないものです。
でも、そのおじさんがいい人で
「俺は余計な事は言わないから心配するな」と言ってくれたそうです。
私はつくづく、そのおじさんの物分かりの良さと、姉の孫が心身ともに健やかに育っている事が嬉しくなりました。
姉の孫は、たとえ反抗期か来たとしても
「ババア風呂に入るな」
なんて絶対に言わないと思います。
そうなってしまった孫は、今後どういう人生を歩いていくのか…
人に優しくできる事、それがどんなに大切なことかずっと考えています。