14年の春のこと。
その年の1月に亡くしたムクを思い、私は毎夜、犬のボランティアの方のブログを何度も何度も繰り返し訪問し…
そこで心に焼きついたのが、野犬の母から産まれたワンコ、仮名を《じゅんちゃん》新緑の季節、そのじゅんちゃんは成長した庭の草の陰に隠れて上目遣いに見つめていました。
「新緑の季節、じゅんちゃんも隠れがいがあります」ボランティアの方は語っていました。
その子は人馴れしていなくて、譲渡会にも行ける段階ではなくてケアの段階の子でした。
手を触れるとビクンとして固まってしまうような。
同じ名前という事もあって、私はその子の事が気になり始めました。
哀しみを癒すような…でもないし、自分の手元に連れて来たい…まだそんな段階ではない。
不思議な思いでした。
そしてその子は、とっても美人さんでした。
昨年だったか、イケメンゴリラをテレビでとりあげていて、一瞬《えっ👀》と思ったけれど、確かに目元はキリリとしていてイケメンなのです。
人間以外でも当てはまるんですね、美人とかイケメンという表現が。
夏になり、私はその子に会いたいと思い始めました。その子を保護しているボランティアの方は譲渡会を毎週日曜日に開いていて、幸いにも同じ県だったので休みが取れた日曜日に訪れました。
しかし、その日はじゅんちゃんは参加していなかったのです。
その数週間後に他のボランティアの方から後押しされて会いに行った夢と出会ったのです。
それも縁だったのでしょう。
今でも思います。夢とは出会うべくして出会ったんだと。
夢が我が家に来てからも、わたしはちょっぴりそのじゅんちゃんの行方が気になりました。
そして、ボランティアの方に手紙を書きました。
自分の力量では犬を二頭育てるのはギリギリかもしれない、けれどじゅんちゃんを引き取りたいと。
つくづく私とじゅんちゃんは縁が無かったのでしょう。
少しの差で、じゅんちゃんの兄弟犬の里親になった方が名乗りを上げていたのです。
でも、よく考えたらじゅんちゃんにとってはその方が幸せだった。
兄弟と暮らせるのだから。
今でもふっと思い出します。
上目遣いに隠れていた幼いじゅんちゃん。
もしかしたら夢と暮らしていたかもしれない子。
幸せでいて下さい。
今はそう思うばかりです。